11月7日は立冬。暦の上では冬の始まりです。古典文献で語られている冬の養生法を紹介いたします。
『冬の三ヶ月を閉蔵という。この期間は、水は氷り地は凍き寒さが厳しいので、さすがに天の陽気もこれを和らげることができない。この時には精神的には気を静めて、何かしなければと思う志をおさえ、ひそかな心持ちで常に満足していなければならない。身体的には直に寒さに触れぬように、また、身体を温かく保つように注意し、過労して汗をかき、陽気をたびたび逃がすことのないようにしなければならない。これが冬の天地の気に相応じ蔵を養う冬の方法である。』「素問 四気調神大論篇第二」より)
四季の変化の特徴は「春に生まれ、夏に長じ、秋に収め、冬に蔵す」です。冬は秋までの実りを貯蔵する時期です。身体もエネルギーの消費を抑えることが大切です。内臓との関係では冬=腎(春=肝 夏=心 土用=脾 秋=肺」であり、東洋伝統医学での腎(+膀胱)は、泌尿器として血液を濾過して尿にする働きに加え、ホルモン(コルチゾール、アドレナリン等ステロイドホルモン、カテコールアミン)を出す副腎の内分泌器機能も含みます。抗ストレスホルモンであるコーチゾールはストレスに対処する働きがあり、過剰なストレス等で副腎が疲弊するとホルモンの分泌が悪くなりストレスに対処できず「副腎疲労症候群」という慢性疲労やうつ症状などの症状が出ます。
そのほか「骨を司り、髄を生じ、脳に通じる」「耳と二陰(尿道と肛門)に開竅(かいきょう)し、その華は髪にある」といわれ、骨や脳、耳、生殖能力、髪もまた「腎」と関係する部位とされます。腎の氣が衰えると、その関係する部位の機能も低下してしまいます。白髪脱毛、耳鳴り聴力低下、骨が弱くなる、腰痛、等が起きます。腎の氣は「先天の氣」と云われ、生命力の源とされています。
腎の経絡(身体を流れるエネルギーの道すじ 要所要所にツボが有る)は足の裏からすね・腿の内側を通り腰に繋がっていきます。
この腎の氣を強めるツボは
・腎兪(じんゆ)・・・腰 第2腰椎の底辺、背骨の真ん中から指2本の幅で外側
・太渓(たいけい)・・・内くるぶしとアキレス腱の間
・湧泉(ゆうせん)・・・足の裏の真ん中、つま先立ちの時に地面に着くところの下側と土踏まずの間あたり
です。これらのツボを押したり、温めるのがおススメです♪お試しくださいませ♪♪