8月7日は二十四節気の「立秋」です。暦の上では秋の始まりです。とは言え、連日の暑さで、とても秋とは感じられないですが…古典文献「黄帝内経 素問」から秋の養生法をご紹介します。
以前にも述べましたが、四季それぞれの特徴は「春に生まれ、夏に長じ、秋に収め、冬に蔵す」です。春から夏にかけて生じ成長したものを秋は収める季節です。
台風が頻発したり最近ではゲリラ豪雨など天気が急変しますが、空気は段々と澄んできて、日が短くなってきます。早寝早起き、気持ちを安寧に保ち、夏の間には外に向け発散していくような身体のエネルギーが、秋には草木が枯れていくように収斂していくので、気持ちをあまり外に向けず、気温が下がってきたら喉や肺など呼吸器系の病にならないように心がけましょう。秋に肺の病になると、冬に下痢になりやすくなります。
呼吸器系を元氣にするツボです。ツボの周辺を軽く揉んだり温めると予防になります。
・背中にあるツボ→肺兪 風門 大椎…頭を下げると背骨が飛び出る辺りから肩甲骨の間まで、背骨に沿ったところ。
・胸にあるツボ→太淵 尺沢…腕の手のひら側の親指から肘にかけて。
・腕にあるツボ→中府 雲門…腕の付け根あたり
〈原文〉
秋三月、此謂容平。天気以急、地気以明。早臥早起、与雞倶興。使志安寧、以緩秋刑。
収斂神気、使秋気平、無外其志、使肺気清。此秋気之応、養收之道也。逆之則傷肺、
冬為飧泄、奉蔵者少。
秋の三ヶ月を容平という。(容平はものの形が定まる意である。)天地の気が引き締まって澄み、全てのものが収斂してくる。この時期には精神を落ちつかせて、秋の天地の粛殺(シュクサツ)の気が身体を損なうことがないようにし、志を遂げようとしてやたらと動きまわり、冷えを受けて肺の蔵を冷やすことがないようにしなければならない。それが収斂を特徴とする天地の気に相応じる秋の養生法である。