読む薬膳 シリーズその4『真冬の薬膳』

こんにちは、千葉です。年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか。

さて、昨年末から一層寒さと乾燥が増してきましたね。年末に実家の岩手に帰省したのですが、「数年に一度の記録的な寒波」の到来に合わせたような帰省となってしまい、なかなか感慨深い帰省となりました。いくつかご紹介しますと、

①洗濯機の排水管が凍ってしまい、排水が逆流して洗濯機周りの床が水浸し

②朝に雪掻きしても、昼前には何事も無かったかのような雪景色に戻っている

③家の中でも、居間の外の廊下や玄関の温度が外気並みに寒い

④それでも、銀世界の静かで凛とした空気は嫌いではない

⑤アルコール度数の高い酒が、五臓臓腑に沁みわたるようにうまい!

⑥だがしかし、寒いものは寒い

子供の頃は日常の風景だったはずなのですが、首都圏の快適な生活にすっかり馴染んてしまい、東北の冬を忘れかけていました(笑)

暖房設備も食料の輸送・貯蔵手段も充分ではない昔は、「冬を越す」と言うことは時には命に危機が及ぶほどの厳しいものであり、それだけに春が待ち遠しく、春の訪れの喜びは、「この冬も生き延びることができた!」という叫びたくなるような切な感情を含むものだったのかな、などど思いながらマイナス6℃の中で雪掻きをしていました。現代日本で生きている幸運に、心から感謝です。

東洋医学では、日照時間が短く寒さの厳しいこの時期は、自然に従いあまり無理をせず、来たるべき春以降の季節に向けて栄養を蓄える季節となります。その栄養は腎に精として蓄えられるとされます。諸説有るかと思いますが私は、『精とは身体の代謝・免疫などで働くホルモンやその働きを助ける体内酵素』で、冬季は身体活動量が減る→使用量が減るので体内に蓄えられる、と考えます。また、身体に悪さをする諸々の要因を『邪(じゃ)』と呼びますが、冬の邪の代表はまず『寒邪』、次に『燥邪』です。寒邪には寒さに加え、気の巡りを妨げて身体を硬くし縮こませる特性があります。冬の燥邪は体表の潤いを奪います。よって冬の食薬には次の点に気をつけながら選びます。

①栄養を蓄え身体を温める
②気血を巡らす
③体表の乾燥を潤す

以上を踏まえて、写真にある冬の簡単薬膳を作ってみました。

(二人前)
鮭    二切れ  お腹を温める
牡蠣   100g  滋陰養血 腎に働きかける
青梗菜  一房 気を巡らせ血流を良くする
生姜   1/4 片   身体を温めて気を回らす
ニラ   1/2 束  お腹を温める 腎に働きかける
塩    少々   腎に働きかける
胡椒   微量   お腹を温める

鍋で煮込んで、味を見ながら最後に少しずつ塩を加えていくだけです。気を付ける事といえば、⑴アクを減らすため鮭と牡蠣は鍋に入れる前に水洗いする、⑵鮭と牡蠣が硬くなりすぎないように火力を少し控えめにする、⑶青梗菜は茎と葉を別々にして、青梗菜の葉とニラは最後に投入する、⑷塩と胡椒は控えめにする(特に胡椒)、くらいでしょうか。実に簡単ですが、薄塩味が鮭と牡蠣からとれた磯風味の出汁を引き立て、青梗菜の茎の食感も心地よく、悪くない味です。『薬膳』を難しく考えずに、こんな程度でも日々の生活の一部にしていく事が大切と考えます。

それでは皆様、旬の食材で季節を感じながら一日一日美味しく楽しくお過ごしください。

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