立夏 りっか 2026 夏の養生法その1

5/5 立夏 りっか 暦の上では今日から夏になります。日本各地で気温が30℃近くまで上がった処もあるようで、すでに夏の盛りを思わせる気候ですね。GWの真っただ中で、旅行客や行楽地の賑わいが報じられてます。地球全体では終結の目途が立たない紛争やエネルギー問題など心を悩ます事柄が山積していますが、東京の今日の青空を見ていると、ひととき其れを忘れて爽やかな気持ちになれます。

 

季節の移ろいと共に変化する身体の状況は、冬の寒さで固まった身体が春先から緩みだし、夏の暑さに備えて身体の熱を放出できるように心がけることが重要になります。

 

東洋伝統医学の古典「黄帝内経素問」には次のように記されています。

夏の三ヶ月間を「蕃秀(ばんしゅう)という。「蕃秀」とは「生長する」ということで天地の陰陽の気が盛んに交流するので、万物がどんどん成長して咲き栄えていく。

夏の養生法は、早寝早起き。夜は暗くなったら寝て朝は日の出と共に起きる。日の長さと暑さを厭わず、物事に怒らずに気持ちよく過ごすべきである。つまりは、夏に咲きそろっている花のように、体の陽気を気持ちよく発散させる。これに背くと夏の気である心気が傷み、秋になって感染症(昔は、瘧おこり=マラリヤ)等になりやすい。

 

季節と内臓の働きとの関係では、これからの時期、五臓六腑(肝心脾肺腎)の内で夏は心(しん)と、土用(梅雨)は脾(ひ)が重要になります。暑さに対する心=循環器、梅雨の湿気に対する脾=消化器です。

また貝原益軒先生の「養生訓」には
「夏は、“陰気”が腹中に沈んでいるため消化が遅い。それゆえ、多く飲食してはいけない。温かい物を食べて胃腸を温め、冷水をできるだけ避けた方が良い。生もの、冷たいものは避けること。冷麺をたくさん食べないこと。脾胃(胃腸)が虚弱な人は、とりわけ下痢に注意すべきである。」また常々「何事も過ぎざるを良しとすべし」と強調されています。

まとめると夏は暑いが過剰に身体を冷やさず、活発に行動してエネルギーを消耗するが、決して過剰に飲食しない。特に梅雨の時期は胃腸を労ること。できるだけ太陽の光を浴びて、物事に捕らわれずストレスを溜めない事、が重要です。冷たい物を飲食しなくても食材を選ぶ方法があります。夏野菜(トマト・ナス・きゅうり・スイカ・にがうり)は『身体の熱を冷ます』という性質をもつ涼性、寒性の野菜です。食べ過ぎると身体を冷やしやすくなるので注意は必要ですが、夏に食べることで熱をとるため、理にかなった食材と言えます。

 

今年の夏も猛暑が予想されています。現代はどこに行っても空調が完備されているし、熱中症予防で水分接収が奨励され「危険な暑さ」で外出を控える等のメッセジーが発信されたりと、古来の知恵をスンナリ実行するには難しいと感じるかもしれません。しかし平均寿命が延び人生100歳時代と言われる中、健康寿命も延ばしていかなければつり合いが取れません。苦労して痛くて辛い残りの数年十数年を過ごすより、楽しく活動的に過ごして100歳を迎えたいですね。そのためには身体の事を意識して、少しでも季節に合った優しい生活をしていきたいと思います。

 

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文と写真:黒澤淳

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